菓子パン(おそらくクリームパン)1個 紙パック牛乳500ml
「清四郎、野梨子、おっはよー!」 悠理が元気に車を降り立った。 「おはよう、悠理。」 「おはようございます。」 友人たちと並んで歩き出すやすぐ、悠理は右手で持った牛乳パックを直接口につけてゴクゴクと喉を鳴らした。残り少ないらしい紙パックを器用に脇に挟み、今度は左手に持つサンドイッチの袋を開ける。 その悠理の後から、可憐が声を掛けた。 「おはよ・・・って、なによ悠理、朝抜いて来たの?」 「ふぃいや。」 悠理は可憐の呆れ声に首を振る。サンドイッチを咥えたため口がふさがっているので何を言っているのかわからないが、しっかり食べて来たらしい。
三角カツサンド1つ どんぶり飯3杯強(推測)
「悠理、食べるなら部室で食べたらどうですか。歩きながらでは消化に悪い。」 「だいたい、はしたないですわ。」 「へいへい。」 小言に平然と頷きながら、悠理は背のリュックを揺らして背負いなおす。 「おはよ!えらく重そうなリュックだね、悠理。」 「どうせ、食い物ばっかだろ。」 門のところで立ち止まっている間に、美童と魅録も合流した。
「悠理様、ケーキを焼きましたの。食べてください!」 「あたくしのフルーツ籠も!」 校門をくぐるなり、悠理は女生徒に囲まれた。貢物を満面の笑顔で受け取っている。おそらくすべて、昼までには消化するのだろう。
ケーキ1箱(直径30cm推測) フルーツ籠(メロン・バナナ・リンゴ・ブドウ) クッキー一袋 他洋菓子ケース(中身は不明) 和菓子(中身は不明)
「じゃな、また昼に!」 悠理は両腕に貢物を抱え、女生徒達に囲まれながら教室へと向かった。
悠理のスリーサイズ推測、75・58・80
友人の姿を見送りながら。 「・・・・解剖は無理にしても、一度本気で検査させてもらいましょうかねぇ・・・」 清四郎は書き付けていた生徒手帳をしまい、ぽつりと呟いた。
一体、悠理のあの体のどこにあれだけの分量が入るのやら。 トイレの回数も彼が知る限り、人並みだ。 まさか毎回、大ではないだろう―――なんて、色気のないことを思案しつつ。
摩訶不思議に惹かれてやまないのも、探究心旺盛な彼の性情。 眉目秀麗の生徒会長は本日もご機嫌麗しく、男女問わず人を惹きつける爽やかで信頼感溢れる笑みを浮かべた。
************ おまけ
悠理と顔を合わすなり、今日も清四郎は生徒手帳に書きつけ始めた。 その後も、時折ため息をつきつつ、悠理の全身を舐めるように見ている。 腕を組んで思案顔をしても、顔が緩んでいる。 「・・・問題は、どうやって抵抗を封じるかですな・・・一服盛るか・・・」 ぽつりぽつり呟かれる剣呑な言葉に、仲間たちは顔を引き攣らせつつ清四郎から数歩距離を取った。
「・・・・ねぇ、アレ放置してていいのかしら?」 「いつか悠理が清四郎に衣服剥かれても驚かないね、僕は。」 「お、俺は驚くぞ!まさか清四郎に限って、悠理に妙なことするわけねーって!女扱いしてねーのに・・・」 「妙なことって、レントゲン・・・・ですわよね?」 野梨子の祈るような言葉に、仲間三人はなんとも形容しがたい複雑な表情を向けた。
「どうしたんですか、皆さん?おや、野梨子、顔色が悪いですよ?」 清四郎が振り返って、顔面蒼白の幼なじみに問いかける。 爽やかすぎる笑みの下で、清四郎の優秀な脳が何を思考しているのかなど、知りたくもない。 まさに、立ち入り不能の摩訶不思議空間。 三人は、なんでもない、とぶんぶん首を振った。
この環境では、野梨子嬢の男嫌いに拍車がかかるのも、致し方ないだろう。
END(2008.1)
拍手お礼用に、突貫で書いたお馬鹿小ネタですが、めちゃくちゃ書きやすかったので、続いてしまいシリーズ化。かるーく読み流してください!(汗) |
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