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ラブラブシチュエーション〜時代劇編〜


「ねえねえ!今度は時代劇でやろうよ!」
「むっ。時代劇ですか。それは名案ですね。」

ぽんと手を打つ清四郎。その脳内では、帯クルクル妄想が炸裂。
悠理、長年付き合ってきただけあって、それをいち早く察知した。

「言っとくけど、あたい、振袖なんか着ないからな。」
第一、この二人が着付けなど出来るはずもない。
帯クルクルごっこ、妄想の時点で敢え無く却下。

諦め切れぬ清四郎、どうにかして悠理にしどけない恰好をさせたい。
「では、悠理は敵に捕らわれた女間者という設定ではどうです?」
「それ、なかなかナイスアイディアじゃん!んで、お前の役柄は?」
「女間者が探りを入れていた屋敷の侍なんてイイですねえ。」
「・・・」
なんとなく、嫌な予感。
「清四郎侍と女間者で、どうやって@@に持ち込むわけ?」
清四郎の笑みがヒヒジジイに見えるのは、悠理の気のせいに違いない。
「なかなか口を割らない女間者を、若侍が責め立てるんです。」
爽やかな口調でそう言って、清四郎はにっこり笑った。
しかし。
そのとき悠理には、清四郎の頭上に、妄想のト書きが見えていた。

(まずは襦袢姿の上半身を縛って、水攻めだな。  やはり濡れたときの透け感を大事にするため、緋襦袢は諦めて  ベーシックな白い襦袢にすべきでしょうね。)

「やっぱり女間者はヤだ!!」
清四郎の妄想を知った悠理、条件反射で振られた役を辞退する。
「時代劇の醍醐味は、チャンバラじゃんか!あたい、侍がいい!」
「・・・で、僕の役はどうするつもりです?」
「お前も侍!もちろん侍!それで、チャンバラ!!」
即却下されるかと覚悟していたが、清四郎はすんなりと提案を呑んだ。
「分かりました。では、今晩は着物を準備しましょう。袴なら僕も 着付けができますからね。」
何だか話が上手く行き過ぎて、怖くなる。
「せーしろーちゃん。いざ本番ってときに「お前の刀はコレです」とか 言って、@@を出したりしないよね?」
女操縦士と操縦桿の悪夢が、脳裏にありありと甦る。
「そんなことはしませんよ。刀みたく振り回されたら、こっちの身が 持ちません。」
それを聞いた悠理は、心底ほっとした。
「じゃ、今晩は時代劇なっ!」


そして、夜。

悠理は初の若衆姿を鏡に映し、ご満悦だった。
「わーい。カッコイイぞvv なかなか決まってるじゃん。」
喜びの理由は、それだけではなかった。
悠理の腰には、ちゃんと大小二本の太刀が下がっている。
今回は柔らかくて温かい刀を持たずに済みそうだ。

「ね、ね。似合うよね、清四郎っ?」
はちきれんばかりの笑顔で振り返る。
そこには何故か、バスローブ姿の清四郎が。
「・・・なんで、着物じゃないの?」
「まずは悠理の侍姿を完璧に仕上げたいんですよ。」
仕上げると言われても、足袋も履いているし、着物も完璧。
腰には太刀まで差しているのだ。
いったいこれ以上、何を仕上げると言うのか?

不審がる悠理を他所に、清四郎はおもむろにバスローブの結び目に手をかけた。
「気持ちの篭もった演技をするには、まずは恰好からです。」
はらり、とバスローブが落ちる。
悠理、蒼褪めた顔で、後退りする。
「せ、せーしろーちゃん・・・なにをするつもり??」
「時代劇といえば、どうしても外せないものがあるでしょう?」
にっこりと、悪魔の笑み。
追い詰められた悠理は、ずるずると崩れ落ちた。
そして。

「ぎゃあああ!!あ、あたいの頭に、ナマあったかいモンがああああ!!」
「どうして暴れるんです!?時代劇にはチョン髷が必須でしょうが!!」

その後、チャンバラごっこがどうなったか、本人以外、誰も知らない・・・






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ただし、当然成人指定!18禁どころか、熟女(笑)ONLYとさせていただきます。





ネコ☆まんまさんに描いていただいた「パイロットと操縦桿」イラストv
次はチョン髷?!(←悪魔)


次、行ってみよー!
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こりゃダメだ、脱出!