ラブラブシチュエーション〜セーラー服を脱がさないで♪編〜 「悠理、今日はこれでいきましょう」 紙袋からガサガサと何かを取り出す清四郎に、悠理は溜息をつく。 「またなんかコスプレすんの?おまえも好きだねー」 日常生活、学業、生活全般において(いや人生全般において)悠理が清四郎を馬鹿にできることなど皆無と思っていた。これまでは。 だが、付き合うようになってほぼ半年。思えば「おまえ、馬鹿?」と何度呟いたことだろう。ことに、通常ノーマル(と悠理が信じている)な“えっち”ばかりではなくなってきた頃から。教師でワカメ酒、医者で局所にずぶりと注射&白子プレイ、課長で耐久性と偽った強姦もどき。そんでもって、今日は・・・・・ 特攻野郎と女子高生。 悠理は思った。ふふふふと笑みさえ浮かぶ。これまでに比べれば遥かにまし。(女子高生って普通じゃん。あたい現役だしー)実は他校の制服も着てみたかったのでちょっと嬉しかったりして。 一緒になって紙袋を覗き込み、目についたものをひっぱり出した。 赤いひらひらの布。どっきーーーん。心臓が跳ね上がる。嫌な予感。 んが、「良かった、小さい」と悠理は呟いた。今日はアレではない。 いつか見せられた赤い六尺褌。それは、二人で暇つぶしに泳ぎにいった剣菱邸のプールでの出来事。 「やはり日本男児はこれが基本です!」 悠理より先にプールに入っていた清四郎が、手すりにつかまり水から上がってきた時の衝撃度といったら・・・・・ 石のように固まると、本当に重くなるらしい。プールサイドで足を滑らし、そのまま落下。沈殿物のように沈み込み、気がついた時はベッドの上だった。 タマパンツと六尺褌。清四郎の下半身に身に着けるものは悠理の心にある種のトラウマを残している。・・・・・あたいの彼氏って変態?それを確信する瞬間。 そんな折、今日は広げて見れば赤いスカーフ。と、いうことは? 「うっほほ〜い♪セーラー服だじょ。あたい一回やってみたかったんだ♪」 いつになく喜んでそれを着た。 彼氏清四郎、その姿を見てニヤニヤと考える。 「さて、特攻野郎と女子高生。どうやって@@@に持ち込みましょうか?」 単純なごっこを考えている悠理と不純なごっこを考えている清四郎の間には大きな隔たりがある。二人はそのことに気づいているのかいないのか。 「せっかくセーラー服着てんだぞ、あたい今日は簡単に脱がないからな」 「なんですと?」 清四郎がピクリっと顔を引きつらせたのには、気づかないフリをする悠理であった。 「そうそう、セーラー服といえばスケバン刑事だよ。清四郎、ヨーヨーは?」 「そんなもの用意してません!普通の女子高生でいいでしょーがっ」 剣菱悠理扮する麻宮サキに捕まって、お仕置きされるのも悪くはないが、できれば「される」より「したい」清四郎である。 「スケバン刑事ではなくて、他のシチュで遊びましょう。ほら、セーラー服といえば色々あるでしょう」 (セー@ー服色情飼育とかセー@ー服百合族とかセー@ー服裸々バイとか。何なら、セー@−服反逆同盟でミポリンになって赤い薔薇で鞭打ちされながら“純潔と燃える正義の”と言わせるか) 自分でその純潔を奪っておいて言うのもなんだが、と清四郎が考えていると、悠理がポンと手を叩いた。「わかった。待ってろ清四郎」 特攻服を着てフムと腕を組んで妄想に入っている清四郎を部屋に残し、悠理は飛び出していった。「いやぁ、やめてっ」と幻聴が聞こえている清四郎は、そんな理由で、悠理が何をわかって出て行ったのか迂闊にも聞き逃す。 そして、数分で部屋に戻った悠理の手には・・・・・ だだだだだだだだっだだだだだだだだだだだだだだだっ 「カ・イ・カ・ン ♪」 恐ろしいことに、機関銃は本物である。 「どこから持ってきたんです!そんなものっ。危ないじゃないですか!」 清四郎は慌てて取り上げると、安全装置の確認をした。 特攻服姿で死ぬわけにはいかない。問題はそこか?という気もするが。 「取り上げるなよー。後で母ちゃんのクローゼットに返しに行くんだからな」 「今すぐ返して来い。快感なら別の方法で僕が感じさせてあげます!」 その夜、機関銃の衝撃にやっと清四郎は悟る。コスプレはスパイスにはなるが、すぐに脱いでしまうのでお楽しみは一瞬。ならば、もっと現実的実用的実感的に優れたプレイにしようではないか。 「悠理、次回からは準備するものが一つで済みますよ」 「はぁ?」 「ま、次回のお楽しみです。僕も疲れましたから今日はもう寝ましょう」 カイカンを追うために、あんなことやこんなことを試して疲れ果てた男は、悠理と重なりあったまま眠りに落ちた。清四郎の腹の上で悠理はまどろむ。 「一つで済むって?・・・」 清四郎の返事はもうなくて、悠理も次第に深い眠りに誘い込まれていった。 悠理は知らない。現実的実用的実感的@@の使い方を・・・この時はまだ! ↓ ↓ ↓ 女操縦士と操縦桿 ↓ ↓ ↓ 若衆姿で時代劇 に続く。 個人的には、志村けんまで希望♪ |