「エロティカバ＠ブ２」

エロティカ・セブン～ 行くならGoin'　お嫌ならStop～後編

つぷ、と彼の指が潤んだ場所に埋まった。

「・・・・・・っ！！」

悠理の嬌声は、合唱にまぎれ消える。

不埒な器具を取り出してくれるはずの指は、意地悪にも入口で留まったまま。

二本の指が差し込まれ、ゆっくりとかき回された。

「奥の方に入ってしまってますねぇ・・・」

清四郎は愉快気にクスクス笑う。

「どこにあるのかわからないので、動かしてみますか」

「い、いやっ」

悠理は怯えて竦んだが、清四郎は容赦なくリモコンのスイッチを入れた。

歓喜の歌とともに、埋め込まれた器具が激しく振動する。悠理は身をそらせ、悲鳴を上げた。

痛みはない。ただただ、激しすぎる官能ゆえに。

彼の前で両足を開き、指を埋め込まれ。びくびく体を痙攣させる。

涙よりも、溢れる愛液が制服を汚す。

「すごいな・・・そんなに気持ちいいですか？」

清四郎の声がわずかに上ずっている。指を動かしながら、奥を探る。

階下より聴こえてくる音楽にあわせて、タクトを振るう指揮者のように。

「ほら、ダメじゃないですか・・・そんなに吸い付いて、奥へ飲み込もうとしたら、取れませんよ」

くちゅくちゅと指が蠢く。

体の奥では、振動しながら器具が暴れる。

「押し出してごらんなさい。自分で」

清四郎は悠理に埋めていない方の指で、スルリと悠理の胸元のリボンを取った。

「そう、いいぞ・・・」

衣服一つ乱していない清四郎の瞳は、情欲に乱れていた。

指先で悠理の内壁の動きを探りながら、胸のボタンをゆっくりと外してゆく。

「そう、押し出すんです。もう少しで指が届きそうだ」

プツン。

フロントホックのブラが外された。

「あああああっ・・・」

身を仰け反らせた悠理のあらわになった胸の先を、意地悪な恋人は噛んだ。

もう、とうに立ちきって充血した、感じやすい場所を。

同時に、清四郎の二本の指が小さなバイブをつまみ上げ、体内から引きずり出す。

ヴィ・・・・ン

大音響の合唱の中で、どうして、振動が聞こえてしまうのか。

振動が消える。清四郎がスイッチを切ったのだ。

悠理の浮いた腰も、電気が切れたように落ちる。

力が抜けて、顔も上げられない。

それでも、さんざん弄られた体は疼き、悠理は膝を磨りあわせた。

「せ、清四郎・・・」

清四郎は意地悪な笑みを浮かべ、身を起こして悠理を見下ろしていた。

「ご要望通り、取り出しましたよ」

指で挟んで、小さな器具を悠理に見せる。

それは滴るほど濡れて光っていた。

悠理は顔をそらせ、哀願する。

「おねが・・・い」

「何をです？」

クスクス、笑う気配。

清四郎は悠理のむき出しの足をゆっくりと撫でた。

それだけで、体はいやおうもなく震える。

「僕に、抱いて欲しい？」

悔しくて、恥ずかしくて。

それでも、悠理は、コクンと頷いていた。

こんなことをされても、好きだから。清四郎が欲しくてたまらないのは、いつだって、悠理の方だから。

チャックが下ろされる音。

どうして、音楽の洪水の中、このかすかな音が聴こえるのか不思議だった。

「いけない子だ。学校で、こんなに欲しがって」

囁くような清四郎の声も。

ゆっくりと、清四郎の体が悠理の体に重なる。

重みを感じるよりも先に、疼く場所に、熱い感触。

「あ・・・あふ」

安堵の吐息を吐き、悠理は清四郎を受け入れていた。

器具や指などよりも、悠理の中いっぱいに満ちる、愛しい彼の分身。

ずぶずぶと埋まってゆく。意地悪なまでにゆっくりとした侵入。

焦らされ続けた体が、歓喜の声を上げる。

無意識に腰が浮き、自ら求めていた。

まだ衣服を乱していない清四郎の制服のホックを、悠理は無理やりむしり取った。

彼の肌を感じたくて。

繋がった部分だけでは、足りなくて。

清四郎も、熱い息を吐く。まだ、目は楽しげな笑みを浮かべたまま。

彼は悠理の浮いた腰を抱き上げた。ソファに深く腰掛けた彼の膝に乗せられる。

浮遊する体。より深く、彼が食い込む姿勢。

「はぅっ」

下から突き上げられ、子宮が疼いた。

ゆらゆら体が揺れる。腰をつかむ彼の手だけを支えに。

苦しくて、両腕を清四郎の首に絡めた。

抱き寄せ、唇を寄せる。

触れるだけのキス。

それ以上、清四郎はくれない。

首に回した手を、清四郎の制服に忍び込ませた。

シャツを剥ぎ、逞しい胸をまさぐる。

ひどく熱い体と尖った乳首に、彼の興奮を知り、安堵した。

これほど欲しているのは、悠理だけでないと。

「学校で発情してはいけないと、教えたはずですよ？」

だけど、どこまでも言葉は意地悪で。

ゆっくりと突き上げながら、清四郎は悠理をなおも苛める。

「いけない子には、おしおきが必要ですな」

「・・・え？な、なに・・・？」

ぐ、とむき出しの腰をつかまれる。

彼自身が食い込んでいる部分に、清四郎は指を這わせた。

指は双球の間をまさぐる。

割るように開かれ。濡れた冷たい物体を、押し付けられた。

「あっ」

背後から挿入されたのは、小さな器具。先ほどとは、別の場所に。

「これは、もともと、ここに使うものなんですよ」

前には彼自身を埋め込まれ。後ろに、淫具を入れられ。

悠理は嫌悪に近い恐怖に、体を震わせた。

前に入れられた時と同じく、痛みは感じなかった。

後ろでは何も受け入れたことはないのに。

子供のときに使った、座薬くらい――――と思った途端、清四郎がスイッチを入れた。

「やあああっ」

自分の声とは思えない、甲高い涙声。

体の中で暴れる振動に、悠理は身を仰け反らせる。

清四郎は悠理の腰を支え、激しく上下に揺さぶった。

擦りあげられる。

突き上げられる。

浮遊を超えて、爆発しそうだ。

薄い内壁越しに二箇所を責められ、なおも揺れる乳房に、彼は顔を埋める。

「悠理・・・悠理。僕だけか？」

清四郎は悠理の胸をなぶりながら、喘ぐように言葉を吐き出す。

「僕だけが、こんなに、おかしくなるほど・・・・おまえが欲しいのか？」

ひとり言のような言葉は、先ほどと矛盾していた。

清四郎を欲しがって、狂いそうなのは、悠理の方なのに。

激しい振動、律動。

体が粉々になりそうな衝撃。

抜かないまま体勢を入れ替えられ、ソファの上でのしかかられた。体がずり落ち、悠理の短い髪が床をなでる。

両足を限界まで裂かれ、激しく貫かれる。

「ああ、ああ、ああ、」

嬌声はもう喘ぎ声。喉から漏れるすすり泣きすら掠れる。

爆発し、散り散りになり、ぐちゃぐちゃに体が溶けた。

もう、階下からの音楽は鳴り止んでいた。

それでも、腰を打ち付けるたび上がる濡れきった淫靡な音は繰り返される。

涙と汗と唾液でぐちゃぐちゃの悠理の顔に、清四郎は唇を寄せた。

「おまえの、こんな顔は誰にも見せない・・・許せない」

やはり、清四郎は怒っているのだろう。

清四郎と付き合いはじめ、男から注目されるようになってしまった悠理の変化を。

悔しかった。

理不尽な彼の怒りにさらされ。

玩具のように体を弄ばれ。心を翻弄され。

徐々に早まる律動。激しく荒い息。

怒りではなく、愛ゆえに、抱かれたいのに。

「おかしく・・・なりそうだ」

最後に聴いた清四郎の声は、かすれ、震えていた。

快感の激しさに、気が遠くなる。

――――愛してるって、言ってくれたら、許せるのに。

そして、ブラックアウト。

激しく唇を貪られ、深いキスを与えられても、悠理はもうそれさえ意識することができなかった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

まだ授業中の校庭を、生徒会長が涼しい顔で闊歩していた。

両腕に、体育部長を抱えて。

清四郎が悠理を抱えて歩くなど、学園の者たちには見慣れた光景。

しかし、いつもは小脇に抱えているか首根っこを吊り下げているか、とにかく”連行”といった様相だったのだが、この日は違った。

しっかりと、両腕に横抱きした、いわゆる”お姫様抱っこ”。

しかも、悠理は清四郎の肩に片手を回し、ぎゅっと抱きついている。

教室の窓から目撃した生徒達はざわめいた。

運悪く窓際の席だった魅録は、慌ててふたりから目を逸らす。

悠理が”話し合い”とやらに連行されてから、授業に顔を出さないことで、ナニをしていたのかは想像できたが。

あのエロカップルの言動に、見ざる聞かざる、を心がけなければ、精神衛生に悪すぎる。

「生徒会長と、剣菱さんって、まさか・・・？」

教室内で、サワサワと小声の疑念が渦巻いている。

それは、彼らと一番親しい仲間である魅録自身に対する質問だったのかもしれないが。

見猿、聞か猿、ついでに、言わ猿。

魅録はシカトを決め込んで、両腕に顔を伏せた。

どうしても渦巻いてしまうイケナイ想像に、赤らんだ顔を隠すように。

しかし、やはり。童貞の魅録の想像を、彼らは凌駕していたのだ。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

悠理が意識を取り戻したとき、清四郎が優しく髪を梳いてくれていた。

だけど、ひどく責められた腰には力が入らず、起き上がることもできない。

悠理は清四郎を睨み上げる。

「・・・ひどいよ、清四郎・・・」

悠理の剣呑な視線を受け止め、清四郎はわずかに眉を下げ、口元に笑みを浮かべた。

「おまえのすべては、僕だけのものだろう？」

ゆるく悠理を抱きしめ、なおも髪を梳く。

満足気な、穏やかな表情。

悠理が外したボタンをまだ止めず、半裸の清四郎は寛いだ大きな猫のようだ。

ソファの上でふたり身を寄せ合う心地良さに、眩みそうになった。

――――畜生。

触れ合った素肌が気持ち良かったけれど、悠理は胸元の衣服をかき合せた。

けだるい腕を伸ばし、床に落ちている自分の制服のタイをつかむ。

赤い細いリボン。

手の中のそれを、じっと見つめる。

清四郎はゆっくり身を起こした。

乱れた衣服を整えようとする清四郎の手に、悠理は自分の手を重ねた。

「悠理？」

悠理は無言で、清四郎の手をどかす。

ズボンに入れたシャツを引き出し、彼の下着の中に手を入れた。

清四郎が片眉を上げる。

情事の余韻にくったりとけだる気な彼の分身を、悠理は愛しげに撫でた。

そして、握っていた赤いリボンを、根元に巻きつけた。

「なにするんですか？」

わずかな刺激で少し持ち上がったそれに、リボン結び。そして、先端に、触れるか触れないかの、小さなキス。

「おまえも・・・あたいだけのものだよ？」

微笑して、悠理は清四郎のズボンのチャックを閉めた。

清四郎は愉快気に、喉の奥で笑う。

「ったく、ケダモノめ」

どっちが、と思うが、悠理は反論しない。

心密かに復讐を誓って。

腰が抜けて立てない悠理を、清四郎は抱き上げてくれた。

清四郎は忘れている。

悠理をさんざん苛めた、淫具の存在を。

それは、リモコンと共にこっそり拾い上げた悠理のポケットに収まっていた。

あんなものを部室に残して行くわけに行かない、というのが第一の理由だが。

清四郎に、返してやる気はなかった。ここでは、まだ。

返してやるのは、復讐のときだ。

赤いリボンは、まだ清四郎の部位に絡まったまま。

それでも、平然と生徒会長の顔をして、悠理を抱き上げ校庭を歩く清四郎は、知らない。

彼に甘えるように抱きついている悠理の心中など。

魅録の部屋で覗き見た、実話系週刊誌で得た知識を、悠理は脳内で反芻する。

『――――亀甲縛りって、どうするんだっけ？』

ポケットの中の淫具を握り締める。

今度は、悠理が清四郎を泣かせ喘がせる番だ。

本来の役割では、男に対しても有効のはず。

難問は、この最強の男の抵抗を、どうやって封じるか。

悠理は、足りない頭で考えた。彼の逞しい胸に抱かれながら。

しかし。

もともと、悠理が清四郎を押し倒し、関係を結んだふたり。

彼を嵌めるのは、お手の物。

これより先は、新たな世界。

行くならGoin'

お嫌なら、Stop

――――お望みのまま。

2005.10.16

・・・最低。いや、マジ。ネタを振ってくれた、ハ＠子、エロリーヌ、ありがとう！タイトルはサザンの「経験Ⅱ」より。

♪はめてはめて♪だの♪いれていれて♪だの、まさにぴったりのお歌を教えてくれてありがとう、ポ＠ンポ＠ン姉ｖ　

あなたがたのせいで・・・いや、おかげ様で、私はここまで堕ちました。（笑）

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