エロティカ・セブンhachi 編
*ご注意書き*
これはお馬鹿サークルメンバー閲覧用に描いたもので、
公開を前提にしておりません。
そして、(一部の)部員の品位にランクを合わせておりますため、
非常にお下劣で、お下品な仕上がりとなっております。
それをフロさまが、無理矢理・・・よよよよよ(泣き崩れ)




『エロティカな二人の、エロティカ温泉』




清四郎と悠理は、嬉し恥ずかし出来立てほやほや、かつ、自他共に認める熱々カップルである。(仲間たちは、それに加えて『箍の外れたエロカップル』と囁き合っている。)
しかし。
悦楽に溺れて学業を疎かにするのは、清四郎の主義に思いっ切り反する。
腐っても勉学の徒。留年しようが学園きっての秀才である。
とは言っても、清四郎は今更勉強をしなくとも、既に完璧と言い切って良いほど、頭に入っている。
が、悠理は違う。それも、最悪なほどに。
悠理の成績は、これ以上下がりようがない。(正確には彼女の下にもう一人いるが。)
それを何とか並まで向上させるため、清四郎は血の滲むような努力をした。時には厳しく、時には優しく、またある時は御褒美をちらつかせて、半ば強制的に悠理を勉学に励ませた。
その結果、今期末の試験で、悠理は赤点ゼロ。現代国語にいたっては、51点という快挙である。並には届かなかったものの、生まれてはじめての好成績を得ることができた悠理は、飛び上がって喜んだ。そんな恋人の姿に、清四郎も相好を崩したほどだ。
だから、清四郎は愛する恋人に、とびっきりの御褒美を準備した。

それは―― 二人きりの温泉旅行である。


旅情を盛り上げるため、今回の移動は特急電車を利用した。
みどりの窓口で、思わず『コンパートメントで』と言いかけてから、密室でナニをするつもりなんだと己にツッコミを入れつつ、駅員に向かっては完璧な笑顔を作り、通常の指定席を購入した。
支払いを済ませる間、微妙に挙動不審な清四郎の隣で、悠理はずっとニコニコしていた。本心から、水入らずの旅行ができることを喜んでいるのだ。
身体はともかく、悠理の心はまだまだ子供のまま。感じたままを言葉にし、思ったままに行動する。清四郎が惚れた理由も、きっとそこにあるのだろう。
移動中は何とか欲望を抑え、とっぷりと日が暮れるまで青春そのもので他愛のない遊びに興じた。
そして―― とんでもないコトは、宿に入った直後に起こったのだ。

料理自慢の宿に到着したときには、既に19時を過ぎていた。
海辺の一軒宿である。温泉も楽しみだが、まずは海の幸に舌鼓を打つことにしたのは、他ならぬ悠理の頼みだったからだ。客室に次々と運び込まれる豪勢な料理を前に、悠理は子供のように目を輝かせた。
まずはビールで乾杯し(二人とも未成年)、海老や鯛が踊る膳に箸をつけはじめたとき、悠理が本当に不思議そうな様子で尋ねてきたのだ。
「清四郎の鼻って、高いけど小さいよね。」
意味を掴みかねて訝しげに顔を見つめると、悠理は眼を真ん丸にしたままで、とんでもない言葉を言い放った。
「じゃあさ、清四郎の@@って、小さいほうなの?」
予想もしなかった質問に、清四郎は思い切りビール(←未成年)を吹き出した。
ついでに、給仕をしていた仲居も、盆を取り落とした。
「な、な、なにを言い出すんですっ!?」
げほげほ咳き込みながら問い質す。仲居のほうは、平静を装っているものの、明らかに動揺している。確か、名を―― とも子と言った。
「だって、鼻が大きいオトコは、@@も大きいって、魅録の雑誌に書いてあったもん。」
また魅録か。彼がどんな雑誌を買い込もうが、別にどうこう言うつもりはないが、お願いだから悠理には見せないで欲しい。彼女には、人前で言って良い事と悪い事の区別がついていないのだから。
清四郎は心の中で魅録に恨み言を呟きながら、努めて平静を装い、笑顔で答えた。
「それはただの流言流布ですよ。鼻の大きさと、その、局部の大きさに因果関係は認められません。」
「じゃあ、清四郎は小さいほうじゃないの?」
「う。」
違う。断じて違う。
だが、それを仲居の前で答えて良いものか。しかし、答えずにいると、仲居は清四郎の@@が小さいと思い込むはず。まったくの赤の他人だが、そう勘違いされるのは、男としてのプライドが許さない。
「・・・違います。」
黙々と給仕を続ける仲居を気にして、小声で囁く。仲居が定年間際の婦人ならば良かったが、運の悪いことに、どう見ても三十半ばの女盛りだ。こんな腐れた会話、なるべくならば聞かせたくはない。
悠理はふうん、と気のない相槌を打って、ふたたび料理に舌鼓を打ちはじめた。清四郎もようやく安心して、箸をすすめる。
しかし、一分も経たぬうちに、悪夢は再開された。
悠理はサザエの壷焼きから、中身を綺麗に引き出し、満足げに頷いた。そして、先端の黒いワタを見て、思い出したように、あ、と呟いた。
「ねえねえ、清四郎。」
「はい?」
悠理の顔の前で、サザエの黒いワタがぷるんと揺れた。
「@@の色が黒いと、エッチのとき長持ちするって、本当?」
仲居のとも子は、運の悪いことに茶碗蒸しを持ち上げていた。
がしゃん!!大きな音とともに、畳の上に出汁で緩く固まった卵がぶちまけられた。
「す、す、すみません!!」
とも子は慌てて畳を拭きはじめた。青い着物の襟から、真っ赤に染まった項が覗いている。
「すぐに新しい茶碗蒸しをご準備いたしますっ!!」
あたふたと出て行く後姿を見て、清四郎は暗澹たる溜息を吐いた。
きっと、とんでもないエロカップルと思われているだろう。
「ねえねえ、清四郎。どうなんだよ?黒いほうが・・・」
「迷信です!!」
悠理は、なんだあ、とつまらなそうに呟いて、サザエに喰らいついた。もぐもぐと動く口元が、何となく淫靡で眼を引く。
あの口に、あんなことや、こんなこと―― 清四郎の下半身は、己の妄想にすぐ反応を示しはじめる。慌てて妄想を断ち切って、目の前の食事に専念する。
しばらくして、とも子が新しい茶碗蒸しを持って戻ってきた。
悠理はヒオウギ貝の刺身に、舌鼓を打っている。
刺身を平らげると、悠理は珍しくも器になっていた貝に興味を持った。
「これ、真珠貝?」
「いいえ、それはヒオウギ貝です。綺麗な色でございますでしょ?」
ようやく普通の会話になり、とも子がほっとした笑顔で答える。
しかし。
「ねえねえ清四郎。そういえばさ、真珠入りって、なあに??」
その瞬間、とも子の笑顔がフリーズした。
清四郎は箸で抓んでいたしし唐の天麩羅を、ぼとりと落とした。


とも子が逃げるように去ってから、清四郎は真っ赤な顔をして怒鳴った。
「どうして人前であんなことを聞くんですかっ!」
「え?聞いたら駄目なの?」
「当たり前ですっ!!」
はあはあと肩で息をする清四郎を見て、悠理は泣き出しそうに眉を歪めた。
「・・・あたいのこと、嫌いになった?」
「は?」
楽しい食事の最中に、いきなり怒鳴られたのが、酷くショックだったらしい。悠理の大きな瞳がみるみるうちに潤んでいく。
「ああ、違うんです。お前を嫌いになったりするものですか。ただ、その、人前でああいう話題は避けていただきたいと・・・」
「ホント?嫌いになってない?愛してる?」
「ええ、愛してますよ。」
仕方なく答えたとき、襖ががたんと揺れた。ややあって、とも子が額を押さえて登場する。
どうやら清四郎の愛の告白を聞いて、襖に激突したらしい。
「・・・別注文料理の、鮑の残酷焼きをお持ちしました。」
盆の上で、鮑がうねうね動いている。
「え?頼んでいないですけれど。」
「あたいが頼んだんだっ!!清四郎、アワビ好きだろ?」
とても嬉しそうに、勉強を見てくれたお礼だよ、と言う悠理。その笑顔に、邪気はない。
清四郎もつられて顔を綻ばせ、ありがとう、と素直に礼を述べた。
―― が。
「あたいのアワビも食べて良いよ。ほら、遠慮しないで。好きなんだろ?あたいのアワビも食べて。」
悠理は間違っていない。決して間違ってはいない。
電灯の光を反射しながら、うねうねと動く鮑。
着火器を持ったとも子の手が、ぷるぷると細かく痙攣している。
恐らくは、清四郎と同じモノを想像しているのだ。
「・・・気持ちだけ頂いておきます。」
それだけ言うのが、やっとだった。
とも子が退場して、ふたたび二人きりになる。
清四郎は呼吸を整えてから、努めてさり気なく聞いてみた。
「悠理。いったいどうして、男性のイチモツについて聞こうと思ったのです?」
そのとき、悠理は鰈の餡かけに噛り付いていた。
魚の身から零れた餡が、悠理の口元や浴衣の胸に垂れる。
「ああもう、子供じゃないんですから。」
清四郎はオシボリを手に立ち上がった。
いざ拭こうとしたとき、悠理の口元に付着した、粘着質の液体を見て、オシボリを持った手が止まる。いけないとは分かっていても、どうしても良からぬ妄想をしてしまう。
悠理は純粋な瞳で清四郎を見上げている。
「どうして、って、あたい、清四郎しか知らないからさあ。」
「・・・え?」
「だから、他の人のがどうなっているかとか、平均はどんなもんかとか、ちょっと興味が湧いただけ。」
「悠理は僕のだけを知っていれば良いんですっ!!」
「失礼しまーす。」
清四郎と、とも子の声が重なった。
はっと振り返ると、開いた襖の向こう側で、とも子が硬直していた。
とも子はまず清四郎の顔を見て、次に悠理の顔を見て、最後に清四郎の股間を見た。
悠理の口元と胸元には、粘着質の液体。
彼女の前に立ちはだかる、清四郎。
「お邪魔しましたっ!!」
マッハのスピードで閉まった襖を眺めたまま、清四郎はしばらく呆然と立ち尽くしていた。


三十分後。
とも子が御飯と吸い物、そしてデザートを持って現われた。
仕方のないことだが、かなりぎこちない態度で、清四郎と眼も合わせようとしない。
給仕をされる清四郎のほうも、居た堪れない気持ちである。
場の雰囲気が読めていない悠理だけが、にこにこ顔だった。
「あ、デザートは果物なんだっ??」
悠理が運ばれたばかりの皿を見て、歓喜の声を上げる。
皿の上には、五種類のフルーツが綺麗に盛り付けられていた。
「清四郎っ!バナナちょうだい!あたい、バナナ好きなんだよね〜。ねっ?清四郎のバナナ、ちょうだい!!」
清四郎は、本当に泣きたくなった。
とも子は俯いたまま、お櫃から御飯をよそっている。一見すると何ら不審はないが、杓文字を持つ手が小刻みに震えていた。
今からいくら弁明しようが、手遅れである。
きっと、馬鹿馬鹿エロカップルと信じているに違いない。
とも子が退室してから、清四郎はきっと悠理を睨んだ。
「悠理ぃぃ〜。」
悠理は清四郎のバナナを咥えて、きょとんとしている。
「男性器について、そんなに知りたいのなら、実地を交えて今晩たっぷりと教えて差し上げましょうっ!」


結局は、どっちもどっちのカップルである。
其の夜、隣室からクレームが出たことは、彼らのなけなしの名誉のために、秘密にしておこう。
とも子がその後、仲居を続けたかどうかは、謎である。







二人の温泉での一夜を知りたいかたは、また 後日vv







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