Sweet Valentine

 

「どうしたんですか?今日はやけにサービスがいいじゃないですか」

人の親切に、そういう言葉で返すのか、お前は。
せっかく、疲れてるかなぁ、とか思ったからココア、持って来てやったのに。

「いらないんならいいぞ。返せ。あたいが飲む」

どうせさ、チョコなんて食わないだろうし、そもそも今日が何の日かすら"忙しくて"覚えてもいないだろうし?

「いらないわけないでしょう。愛妻の心温まる贈り物を」

・・・お前、あたいがそういう事言われるとどうなるかわかってて、わざと言ってるだろ。

「おや、どうしたんです?真っ赤ですよ」

しーらじーらーしー!

「ふ、フンだ。別に!」
「で?ココアだけですか?バレンタインの贈り物は」

げっ。気付いてやがった。
なんだよ、いっつもいっつも忙しいとか言ってるくせに。
そんなことは覚えてんだ。

「そうココアだけ。どうせ、お前今思い出したぐらいなんだろ。そう言うやつにはココアだけで充分だ」
「僕はもっと欲しいんですけどねぇ」

いや、そりゃ、その・・・・チョコも、用意してない事もないんだけど・・・・。

「悠理」

はぁ・・・。完全に見透かされてる。
あたいがちゃんと用意してるの、わかってるんだもんなぁ。
いいよ、やるよ。
せっかく用意したんだしさ。

「し、仕方ないからな。じゃぁ、これっんっ・・・・」
って、コイツは・・・・。
うわ、ダメ・・・頭ボーっとしてきた・・・・・・。

「疲れてるんで、ちょうど甘い物が欲しかったんですよ」
「バっ・・・・」

嘘つき〜。疲れてなんかないじゃないかぁ。

「ヤ・・ん・・・せ、しろ・・・」

まだこんな明るいのに・・・。てか、カーテン・・・・・・。

「あぁっ・・・・ん・・・」
「悠理、愛してる」
「ん・・・あたい、も・・・」

でも、ちゃんとベッドがいい――――。





「パパー!?ママ、ここにい・・・・・」


・・・・・・・・・え。


「あー!!パパ、またママの事いぢめてるーーーー!!!」

  rival

 素材Cresent Moon