悠理が清四郎の書斎に(と、言っても元は悠理の勉強部屋)に入ると、一枚の書類が絨毯の上に落ちていた。 「片付け魔の清四郎が、珍しいな」と、思いつつ、悠理はその書類を拾い上げ、好奇心で、目を通した。 プリントアウトしたものらしく、「岩清水」「浮き橋」「しがらみ」と続き、最後は「理知らず」で終わっていた。 そして清四郎の手で、なにやら走り書きされていたり、2重線で消されたりしていた。 古風なタイトルに悠理は、「また、骨董趣味か?」と呟いた。 しかし、良く見れば「しめ小股」「達磨返し」「仏壇返し」とある。 「もしかして、格闘技の技?」 そう思った悠理は、走り書きされた文字を懸命に追った。 他人に読ませるために書かれたものではないらしく、読めないところが大半だった。 解らなければ知りたいと思うのが人間の世の常。悠理とて例外ではなかった。 まして、「悠理にはいまいち不評」だとか、「悠理にはまだ無理か?」などの書き込みが判読できてしまえば、負けず嫌いも手伝って、なおさら好奇心がそそられた。 悠理は椅子を引き机に向かうと、パソコンを立ち上げた。 以前、清四郎に教えてもらったとおりに、インターネットに繋ぎ検索サイトを開き、書類に並ぶ言葉を打ち込んだ。いくつかのサイトが引っかかったようだった。 とりあえず、1番上にあるサイトを開いてみた。 「げぇ・・・・」 目に飛び込んできた画像に、一瞬、悠理は固まった。 が、もともとの好奇心旺盛な性格が災いした。 清四郎が帰った時、悠理はソファで雑誌を読んでいた。 「ただいま。」 「お帰り。」 いつもの会話がなされ、清四郎は持ち帰った仕事に目を通すべく書斎に向かった。 一瞬、悠理の眉間に皺がよったのを清四郎は見逃さなかった。 机の上に一枚の書類があった。それを見て、清四郎にはピンと来た。 PCを立ち上げ履歴の確認をした。履歴の消去については、わざと悠理に教えていなかった。 小1時間ほどして清四郎が書斎から出てきた。 「仕事、終わったのか?」 「ええ。」 悠理は平静を装っているが、挙動不審なのが清四郎には手に取るようにわかった。 清四郎は悠理の隣に座ると、そっと抱き寄せ耳元で囁いた。 「予習もバッチリのようですし、『48手』全制覇行きますよ。」 「なっ!」 悠理が真っ赤になって清四郎を見た。 そこにあったのは「悪魔の微笑み」・・・・・・ 今夜も悠理は眠れない。
フロでっす♪あき様にいただいた、一周年記念作品です! お馬鹿部屋展示ご希望ゆえ、移動。(笑)
真面目に研究研鑽を重ねる清四郎くんがあまりにキュート!ふたりの身体能力なら、四十八手も可能だわねぇ。あきさん、ぜひ詳細に報告を・・・(鼻血) お馬鹿部屋TOP |