憧れ

BY あき様




ある日、学校帰りに、悠理の部屋に行くと、シュワルツネッガーのポスターが剥がされ、替わりに「杉本彩」が挑むような目つきでこちらを見ていた。
「どういう心境の変化ですか?」
不思議に思った清四郎が、悠理に問いかけた。
「あぁ、それ?前に可憐が、自分がなりたいって思うタイプに近い人の写真とかを貼っておくと、その人みたいになれるって言ってたから。可憐はボン・キュ・ボンのハリウッド女優のブロマイドを飾ってたぞ。」
悠理がニコニコと説明した。
「なんで、杉本彩なんです?悠理は、こんな風になりたいんですか?」
「だって、カッコいいじゃん。」
「確かにカッコいいですけど・・・・、悠理の理想がこの人に近いとは思ってもみませんでしたよ。」
「だって、ダンス踊ってる時なんて無茶苦茶カッコいいんだもん。憧れちゃうよ〜。」
彼女のダンスシーンを思い出しているのだろうか、悠理の表情が恍惚としている。
「では、少しでも目標に近づくために手伝ってあげましょう。」
「え、ホント?清四郎ちゃん愛してる!」
悠理の顔は、期待で耀いていた。
「じゃぁ、向こう向いてください。」
「なんで?」
悠理は不思議に思いつつ言われるままに、回れ右をした。
突然背後から、清四郎に抱きしめられた。
「??????」
悠理は不信を抱きつつも、これも精神修養の一環なのだろうと大人しくしていた。
すると清四郎の手が、制服のボタンの隙間から入り込んで、悠理の小振りな胸を鷲掴みにした。
「な、何するんだ!この変態!!」
いくら体を捩っても、きつく抱きしめれられていて身動きが取れなかった。
「人が協力しているのに、変態はないでしょう変態は!!」
清四郎が、胸を揉みながら耳元で抗議の声を上げた。
「これが、変態じゃなきゃ何なんだよ〜」
悠理が泣きそうな顔で、言い返した。
「だって、胸を大きくしたいんでしょう?だったら、刺激が一番ですよ。」
清四郎が耳朶を弄ぶように囁いた。
「ちがう!あたいはあの人みたいな媚びないカッコいい女になりたいだけなの。胸のことはどうでもいいんだ。」
「え、そうだったんですか?僕はてっきり、彼女のようなナイスバディに憧れているのかと思いましたよ。 知ってましたか?彼女は自分をモデルにした官能小説を書いてしまうくらいに@@@が好きなんですよ。」
「へっ、・・・・そうなの?」
悠理はショックのあまり、体の力が抜けてしまった。
そのあと悠理がどうなったかは、清四郎と杉本彩のポスターだけが知っている。








おしまい♪


読んでいた雑誌に「イメージフィットネス」のことが載っていて、思いつきました。 なぜ、「杉本彩サマ」なのか・・・・それは、私の趣味です(笑)。
体育館裏には、彩サマ好きが多いことも、併せて御報告しておきますね。(爆)

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