絵:かめお様 文:フロ

 

 

 

「清四郎ハーーーーン!!」

 

倶楽部の誰もが、その存在を忘れていた(清四郎に至っては脳裏から意識的に抹消していた)昔馴染みの巨体・にきび面・タラコ唇。

 

部室の扉を押し破るように現れた元南中の番長に、吹っ飛ばされたのは、野梨子、可憐。踏まれたのは、逃げ遅れた美童。友情厚き魅録は、猛牛もかくやの突進を止めようと身を挺してタックルかけるが、そのまま引きずられ。この3年間で磨きをかけた悠理の飛び蹴りも、愛に狂った男の顔面に足跡を付けるのみで阻止はかなわず。

結局、彼の突進を止めたのは、清四郎が咄嗟に繰り出した正拳突きと蹴りの連続技だった。

 

地響きを上げて気絶した巨体を、清四郎は呆れて見下ろす。

「な、なんなんですか、いったい・・・・」

清四郎は額に浮いた汗をハンカチで拭い、ついでに拳も拭う。

仲間達は、他の所も拭えと言いたかったが、すんでのところで口をつぐんだ。

 

通り魔のように、突然、有閑倶楽部を襲ったのは、”清四郎ハンをお慕いする会HP100万アクセス記念・捨て身の愛の突撃”だった。

自称会長の特攻は、3年前と同じ至福の昏倒を彼に与えただけでなく。投げたキッスは生徒会長の頬にしっかりブチあたったが、その事実に気づいた者も目を逸らして口をつぐんだという。

 

――――200万の時までに、番長がその存在を脳裏以外からも抹消されそうで、怖い。

 

 

 

ワタシも身が危ない・・・

 

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