金魚

  BY hachi様


〜4〜


魅録と野梨子が北海道を目指している頃、清四郎はまだ悠理の顔を見つめていた。
時刻は正午を迎えようとしていた。可憐は、昼食まで剣菱家の世話になるのは気が引けると言って、買出しに出かけている。派手好きなくせ、妙なところで律儀な可憐。清四郎は、そんな女友達を持てたことに、感謝していた。
二人きりになったのを良いことに、悠理の頬にそっと触れてみる。思ったとおり、血の気の失せた肌は冷えている。それでも確かに人間の温もりが感じられ、ほっと安堵した。
「悠理・・・僕の声が聞こえていますか?皆、お前を救うために、駆け回っています。だから安心して待っていてくださいね。」
口づけたい衝動を抑えながら、ふわふわの栗毛を指で梳く。ただ、それだけなのに、胸が千切れそうなほど痛む。
愛しい―― 己の感情に名前をつけるなら、それがもっとも相応しいと思った。
悠理は傍にいるのが当然で、居なくなるなど考えてもみなかった。だから、失うかもしれない恐怖を知った今、どうしても傍から離れなれないのだ。
「お前が目覚めたら、伝えなければならない言葉があるのです。だから、早く目覚めてください。」
清四郎がそう囁きかけた直後、悠理の瞼が微かに動いた。
「・・・せいしろ・・・」
掠れた声が、くちびるから漏れる。
華奢な手が、助けを求めるように宙を彷徨う。
清四郎はその手を掴み、悠理の顔を覗きこんだ。
「悠理!悠理!!僕はここにいます!」
「こわい・・・ここ、暗いよお・・・助けて、清四郎・・・」
魘される悠理を引き起こして、力いっぱい抱き締める。ようやく清四郎の存在に気づいたのか、悠理の声が高くなった。
「清四郎!怖いよ、あの子が、あの子が遊ぼうって・・・お母さんが迎えに来るまで、一緒に遊ぼうって・・・あたい、あの子の金魚になっちゃったんだ・・・!」
「悠理!大丈夫だ!お前は僕が守ってみせる!ずっとお前に傍についています!だからお前も頑張るんだ!」
夢うつつの状態から抜け出したわけではない。それでも清四郎の言葉はちゃんと伝わったらしく、震える手でしがみついてきた。
「駄目・・・清四郎は、野梨子のものだもん・・・あたいのものじゃない・・・だから・・・あたいは、あの子の・・・金魚、に・・・」
悠理の身体から、力が抜けた。いくら呼びかけても、もう、答えない。仕方なく、悠理の身体をベッドに横たえて、布団をかけ直した。
「・・・僕が、野梨子のものですって?いったい、どういう意味なんだ?」
戸惑う清四郎をひとり置き去りにして、悠理は滾々と眠り続ける。


「美童のほうは九州だってえ!?」
魅録の素っ頓狂な叫び声に、野梨子は思わず携帯電話の送話口を押さえた。
「魅録。声が大きいですわよ。」
「ああ、済まねえ。それにしても俺らが北海道で、美童が九州とはな・・・いくら離婚した夫婦とはいえ、ずいぶんと離れた場所に住んでいるもんだな。」
「正式に離婚をしているのですから、離れた場所に住んでもおかしくはありませんわ。それよりも、早く筑水さんを探しましょう。」
ここは千歳空港の到着ロビーである。浩輔の父親が大家に教えた転居先が確かなら、彼は今、札幌の郊外に住んでいるはずだ。
因みに今の電話の相手は、可憐である。美童から、今から福岡行きの飛行機に乗ると連絡があったのが、一時間前だという。野梨子たちが電車で移動している最中に、九州の地を踏むことになるだろう。
「向こうは柳川だって?」
「ええ、筑水さんの奥さんは元々そちらのご出身だそうですの。美童ひとりで大丈夫ですかしら?」
「アイツの女あしらいの腕前は、野梨子だって知っているだろ?多少年上でも、上手くやるだろうさ。」
空港と直結した駅に急ぎながら、可憐から聞いた情報を魅録に伝える。可憐の外出中に悠理が目覚めたらしく、そのせいで清四郎の様子がおかしいと聞いたことも、残らず伝えた。魅録は、そうか、と呟いたきり、その話題には二度と触れようとしなかった。
筑水氏は、札幌の市街から少し外れた、古いマンションに住んでいた。
ドアの前に立つ野梨子を見て、いったんは相好を崩したものの、その後ろに髪をピンクに染めた青年が控えているのに気づいた途端、一転して緊張した面持ちへ変わった。
そして、野梨子たちが浩輔少年の話を聞くために尋ねてきたと知ると、慌ててドアを閉めようとした。
ドアが完全に閉まる寸前、魅録の靴がそれを阻んだ。その履き古した大きな靴は、安全靴というそうだ。魅録の説明によると、中に鉄板が仕込まれているので、踏まれたくらいでは痛くも痒くもないし、喧嘩の際も大変に役立つらしい。
野梨子の前にずいと出て、扉の間に身体を入り込ませる魅録。腕力にものを言わせて強引にドアを開くと、中からドアノブを引っ張っていた筑水氏は、呆気なくその場に尻餅を搗いた。
「別に暴力を振るうつもりはねえよ。ただ、ちょっと話を聞かせてくれって言ってるだけじゃねえか。」
180センチ近くもある魅録から見下ろされ、筑水氏は完全に萎縮した。野梨子はそんな二人の間に割って入り、最大限の笑顔を氏に向けた。
「本当に怪しいものではありませんの。どうしても筑水さんにお話を伺いたくて、東京から参りました。」
このとき、野梨子は心の底から思った。
人当たりの良い美童ではなく、魅録に同行して良かった、と。


美童がようやく目的地に到着したのは、午後三時を大きく過ぎた頃だった。
柳川駅に降り立った途端、「ようこそ白秋と舟下りの街へ」の看板が眼に飛び込んできた。美童は知らなかったのだが、『金魚』を描いた北原白秋は、ここ柳川の出身とのこと。何やら因縁めいたものを感じ、背中が薄ら寒くなった。
美童は歯科医院の夫人に、わざと片言の日本語で話しかけ、ずいぶん前に訪日した際、筑水さんに困っているところを助けてもらったので、どうしても礼がしたいと説明し、柳川の住所を聞き出した。
非常事態とはいえ、女性に嘘を吐くのは美童の主義に反する。心の中で老齢の夫人に謝罪しながら、ここまでやって来たのだった。
浩輔少年の母親が歯科医院に勤めていたのは、七年前まで。離婚と息子の失踪というダブルパンチに体調を崩し、故郷に戻ったという。
駅前からタクシーに乗り、筑水―― 旧姓に戻っているので、今は違う苗字だが、とにかく浩輔少年の母親の元へ向かった。
タクシーは、商店街から裏通りに入った場所で止まった。玄関先に置いてある植木鉢は、どれもこれも枯れており、この家の住人がどういう生活をしているのか、何となくだが想像がついた。
チャイムを鳴らすと、ややあって、年老いた小さな女性が応対に出てきた。美童が浩輔少年の母親に会いたいと申し出ると、女性の顔が哀しげに歪んだ。
「・・・娘は・・・浩輔の母親は、おりません。」
「どこかにお出かけですか?」
「いえ、亡くなりました。」
一瞬、意味が分からなかった。
女性は美童が日本語を解さないと思ったのだろう。今度はゆっくりと、大きな声で、はっきり言った。
「浩輔の母親は、死にました。こちらに帰ってきてすぐ、病気で。」
美童の目の前は、まさしく真っ暗になった。


可憐は、目の前の光景に戸惑っていた。
清四郎とは長い付き合いだが、今のような表情を見るのは初めてだった。
パソコンを弄ったり、時折どこかへ電話をしたり、背景は違えど、そんな姿は生徒会室でもよく見かける。でも、普段と違うのは、隣に悠理が眠るベッドがあり、彼の左手が常に悠理の右手と繋がれていることだ。
しかも、たまに悠理の寝顔を覗き込んでは、彼女に囁きかける。本人にはまったく自覚はないようだが、それは明らかに、恋に溺れる男の表情だった。
可憐の勘が当たっていれば、それこそ悠理をこのまま悪霊の餌食にさせるわけにはいかない。あのお転婆狂犬娘が、生まれてはじめて恋をしたのだ。初恋に戸惑い、一方通行の想いに苦しむ姿を傍で見てきたからこそ、可憐は彼女の恋の成就を誰よりも願ってきた。
それを目前にして死んでしまうなんて、許せるはずがない。
いきなり、可憐の携帯電話が身悶えた。液晶画面が美童からの着信を知らせている。電話を取った可憐は、彼の話に思わず立ち上がった。
「筑水浩輔の母親は、既に死んでいるですって!?」
可憐の叫び声を聞いて、清四郎も顔を上げる。非常に険しい表情。耳から飛び込んでくる美童の焦った声と、清四郎の強張った顔とが、可憐から平常心を奪っていく。
清四郎が無言でこちらに右手を伸ばした。電話を渡せということらしい。可憐は清四郎に駆け寄って、自分の携帯電話を渡した。
「美童、僕です。申し訳ありませんが、もう一度、最初から説明してください。」
きっと、美童の話があちこち飛んでは戻るのだろう。清四郎はいちいち筋道を立てて確認をしている。可憐は固唾を呑んで、会話が終わるまでじっと待っていた。
いくつか指示を出したあと、電話を切った清四郎は、険しい表情のまま黙り込んだ。ふと彼の左手を見ると、驚いたことに悠理の手を握ったままではないか。
「清四郎・・・あんた、悠理の手・・・ずっと、握っているつもりなの?」
「手を離すと、悠理が魘されるんですよ。少々不便ですが、悠理の消耗を少しでも軽減してやりたくてね。」
清四郎は困ったように微笑みながら、可憐に携帯電話を差し出した。可憐がそれを受け取ると、今度は自分の携帯電話を使って、どこかへ電話をかけはじめた。
「もしもし、野梨子?まだ筑水さんのところにいるのですか?ええ、それは良かった。では、筑水さんを東京に連れてきてください。脅してでも構いません。魅録が一緒なら、そのくらい大丈夫でしょう?」
優等生とは思えない物騒な言葉を吐いて、清四郎は電話を切った。それから、ようやく可憐を真っ直ぐ見て、現在、どういう状況かを説明しはじめた。
清四郎があちこちに確認した結果、浩輔少年と思しき身元不明の変死体は発見されていないこと。そして、彼らしき目撃情報は現在に至っても確認されていないこと。
殺害された三人の女性に、同じ駅を利用していたという以外、接点らしきものは皆無であること。また、着用していた赤い服は形もメーカーもばらばらで、色以外の共通点は見られないこと。
魅録と野梨子が接触している父親は、浩輔少年のことを忘れようとしており、非協力的ではあるが、何とかこちらまで来てもらえるよう、交渉中であること。
美童のほうは、母親が死亡しており、とにかく祖母から事情を聞いて、解決の糸口を探っている最中であること。
「日が暮れるまでに、進展があると良いのですが・・・」
清四郎は秀麗な眉を顰めて、大きな窓を振り返った。可憐もつられて窓を見る。
窓の向こうには、午後の穏やかな景色が広がっていた。


美童は仏壇の前で、見知らぬ女性の写真を見つめていた。
三十をいくつか過ぎたくらいだろうか?美人ではないが、優しげな印象を受ける。『良いお母さん』といった雰囲気だ。
でも―― 写真の中で穏やかに笑う彼女は、既に神さまの元に召されている。
「酷い話じゃありませんか。自分が浮気をした挙句、離婚ですよ。しかも、浩輔の親権も強引に奪って・・・浩輔はお母さんっ子で、寝るときだって一緒の布団じゃないと眠れないくらいでした。うちの娘だって、そりゃあ浩輔を可愛がっていました。それなのに無理矢理に引き離されて・・・浩輔がいなくなったのも、うちの娘が心労のあまり亡くなったのも、全部、あの男のせいです。」
浩輔の祖母は、口惜しさに拳を震わせながら淡々と説明した。見ず知らずの美童に家庭の事情をぶつけるほど、浩輔の父親に対して憎悪の念を募らせているのだと思うと、遣り切れない気持ちになった。
「あの・・・浩輔くんがいなくなったときの状況なんて、分かりますか?」
来訪の理由について、美童は正直に浩輔少年のことを聞きたいと説明した。最初は警戒していた祖母も、美童の真摯な態度に、信じてくれる気になったらしかった。
「あの日・・・浩輔は、引っ越す予定だったんです。幼いなりに、引っ越したら二度と母親と会えないと思ったんでしょうね。熱があったというのに、引越し準備の最中に逃げ出して、それきりです。夏祭りにお母さんから買って貰った、金魚の鉢だけを持って・・・あの男、うちの娘が連れ出したと勘違いして、勤め先まで怒鳴り込んできたそうです。あんな男との結婚なんか許すんじゃなかった・・・浩輔だって可哀想ですよ。いきなり母親がいなくなった代わりに、知らない女がやって来て、今日からこの人をお母さんと呼びなさいと強制されて。まだ、たったの七つですよ。まだまだ母親が恋しい年頃なのに、いきなり母親を奪われて、どれだけ心細かったか・・・」
相手は三人の女性を惨殺しただけでなく、美童の大事な友人の命まで狙っている悪霊かもしれないというのに、思わず感情移入してしまい、慌てて気持ちを引き締める。
「家の近所に、神社がありますよね?浩輔くん、あそこに何か特別な思い入れでもあったんでしょうか?」
「小さな山の上にある、八幡さまのことですか?」
「えと、駅から真っ直ぐ進んだところにあって、石段を百段くらい登る神社です。」
祖母は、そこです、と頷いてから、記憶を辿るように眼を細めた。
「浩輔は毎日、母親が勤めから帰るのを、あの神社で待っていたそうです。石段の上からだと、駅がよく見えるそうで・・・娘がよく話してくれていました。母親を見つけて石段を駆け下りてくる姿は、抱きしめたくなるほど愛しかったと・・・可哀想に、きっと今も浩輔は、どこかで母親を待っているはずです。なのに、母親は・・・もう・・・」
美童は可憐ほど人情家ではない。だが、孫と引き離され、娘を亡くした老母があまりにも不憫で、思わず貰い泣きしそうになってしまった。涙を堪えてくちびるを結び、呼吸を整える。今は同情よりも、悠理を救うことが先決だ。
「浩輔くんは、北原白秋が好きだったんですか?」
「さあ・・・でも、うちの娘は好きでした。この柳川で生まれ育った影響が大きいんでしょうね。浩輔にも詩集を読み聞かせていたみたいですから。」
これで、決まりだ。間違いない。悪霊の正体は、筑水浩輔だ。
でも―― それが分かったところで、どうやって悠理を救う?
美童はすすり泣く祖母を前に、途方に暮れていた。


魅録はすこぶる機嫌が悪かった。
飛行機の三人掛けシートの真ん中に座っているせいではない。単に、隣の男が気に入らないせいだ。
筑水は、小さな窓に張り付くようにして、魅録から一ミリでも離れようとしている。まあ、魅録が無言の圧力を発しているせいもある。魅録だってこんな自己中心的男の隣に座りたくはなかった。だが、こいつを野梨子の隣に座らせるのだけは、どうしても許せなかった。
「魅録、窮屈でしょう?通路側なら、少しは足を伸ばせるのではなくて?」
「いや、大丈夫だ。野梨子こそとんぼ返りで疲れたろ?着いたらまた忙しいだろうから、俺のことは気にせずに休んでおきな。」
野梨子は黒目がちの大きな瞳を申し訳なさそうに少し細めて、魅録の足に視線を落とした。そうすると、白い瞼を縁どる睫毛の長さが強調されて、彼女の美少女っぷりが更に際立つ。普段はあまり気にする機会はないが、こうやって間近で観察してみると、野梨子を構成するパーツのひとつひとつが恐ろしく整っているのが分かる。
「・・・すみません・・・私は、向こうで何をすれば・・・」
折角、野梨子を見て清清しい気分になれたというのに、筑水から話しかけられ、台無しになってしまった。魅録は窓側をじろりと一瞥し、知らねえよ、と低く唸った。
気分の悪さを忘れるため、眼を閉じる。が、先ほど筑水から聞いた言い訳話を思い出してしまい、もっと気分が悪くなった。
筑水は、すべてにおいて責任転嫁をする男だった。
離婚したのは、浮気相手が結婚したいと迫ったから。浩輔を引き取ったのも、実家の母から向こうに渡すなと言われたから。引越ししたのも、女が引っ越したいとねだったから。
つまらない男を『女の腐ったような』と表現するが、それは女性に対して失礼だ。こいつは、『人間が腐ったような』男である。野梨子や可憐のほうが、よっぽど男らしくて、堂々としている。
もっとも許せなかったのは、小さな息子が母親恋しさに家を飛び出したのを『我儘』と言い切ったことだ。自分は息子のために頑張っていたのに、息子はそれを分かってくれないと愚痴る姿には、怒りすら湧いた。
たった七つのガキに、大人の事情など通じるものか。ましてやこんな父親なら、魅録だって逃げたくなる。
流石の野梨子も怒りを覚えたのだろう。話を聞いているとき、こめかみのあたりが細かく痙攣していた。
倶楽部の女性三人の中で一番恐ろしいのは、野梨子―― 清四郎がそう評していたのを思い出し、密かに苦笑いする。
浩輔少年が行方不明になった日は、小雨が絶えることなく降り続いていたそうだ。
筑水は、新しく妻となるべき女性(つまり愛人)のために、これまた新しい生活の場を求めて、離婚直後に引っ越すことにした。浩輔少年は前日から熱があり、引越しの手伝いができる状態ではなかったため、独りで休ませていたそうだ。
居なくなっているのに気づいたのは、夕方の五時。離婚した妻が買い与えた金魚のプラスチック水槽だけが消えており、誰かが連れ去った形跡は残されていなかった。
少年は、自分の意思で、部屋から出て行ったのだ。
近所だけでなく、離婚した妻のところも捜した。もちろん例の神社も捜したそうだ。
だが―― いくら捜しても、浩輔は見つからなかった。
そして、今もって発見されていない。
筑水には、女性の惨殺事件については何も話していない。話せば、きっと恐れ戦いて逃げ出すはず。そう判断したのは魅録ではない。詳しい話は、剣菱家に到着してからするべきだと主張したのは、野梨子のほうだ。
魅録が思うに、戦略を構築する能力は、清四郎より野梨子のほうが長けている。野梨子に欠けているのは、狡猾さと、何が何でも勝とうとする、卑怯なまでの貪欲さだ。そのふたつが具えられれば、野梨子は清四郎を上回る軍師になれる。
機内アナウンスが、羽田到着は定刻の18時05分と伝えている。
戻るまで、何もなければ良いが―― 魅録は胸に湧く不安を掻き消しながら、ひたすらに着陸を待った。




   



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