お馬鹿シスターズ作
その4
「あ、菊正宗先生、学会にお出かけの所、急にお呼びして申し訳ありません」 「いや、かまわん。それで、どんな様子だね?」
「はぁ、ご子息が夜になって発熱されたと連絡がありまして。高熱だったので、入院していただきました」
「罅が入っていると言っても、写真を見る限りでは軽症だったはずだが」
「そうなんですが・・・入院して頂いた時点で撮影した所見では、最初に診た時よりも傷が広がってまして。安静にしていれば数日で完治できると思っていたんですが、炎症も起こしてしまっているようです」
「・・・・大人しく寝ておらんかったということかね?」 「ご子息に限ってと思うのですが、そうとしか言いようが・・・妙に憔悴していらっしゃいますし」
「ふむ。何をやったのか知らんが、問い詰めてくるか」 「あ、院長!今は、入室されない方がいいですよ」 「?」
コンコンコン。 「おい、馬鹿息子、入る・・ぞ(小声)」
「・・・・・・・・。」 沈黙。
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「うっく・・・清四郎ちゃん、ごめ〜ん」
「ハァ・・・ハァ・・・いいですよ、悠理のせいじゃありません」 「痛い?お水飲む?」 「口移しで?」 「馬鹿っ!」
「・・・ハァ・・・ハァ・・・」 「せ、清四郎ちゃん?苦しいの?」 「・・・悠理、み、ず・・・・」
「うわ〜ん!せ、清四郎ちゃん、水、水・・んっ・・・・んっ?」
んんんんんんんんんんっ!
やっ・・・・なに、す・・・
やん、そんなとこダメだってばっ!
ほら、熱があるんだからァ・・・・
あ〜ん、清四郎の馬鹿〜ん♪
ギシギシギシギシギシギシギシギシ・・・
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院長室
バン! 「い、院長、だから病室には行かない方がよろしいと申し上げ・・・」
「今後、馬鹿息子に一切鎮痛剤はやるな!痛い目に遭わんと懲りんようだからな。わしゃ、帰る!」
それから数日間、清四郎が高熱と痛みに悩まされつつ励んだのは言うまでもない。 父、修平に殴られ、腫れた頬を庇いつつ。
そんでおまけ
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