by 麗様 & たむらん様
「んっ!」
ショーツの上から撫で上げられ、悠理は小さく叫んだ。
ただ清四郎の手のひらが、滑るように動いただけなのに。
じわり、と掌を押し付けられ、ぞくり、と身体が疼いた。
「はぁ…」
溜息を漏らし、悠理は首筋に顔を埋めた。
ゆっくりと、ショーツ越しに清四郎の器用な指先が強弱をつけて悠理の股間をまさぐる。
身体の中心が震え、ねっとりとした蜜を吐き出す。
淫靡な水音が響きだす。
「少し触れただけなのに、もうこんなに濡れていますよ…」
あざけるような口調とは裏腹に、清四郎の息は荒い。
悠理が、清四郎の首筋に吸い付いていたから。
身体が熱い。じっとしていられない―――
悠理の本能が、男の感じる部分を探り当てていた。
喉元に唇を当て、逞しい胸へと口づけを降らせる。
清四郎が喘ぎ、悠理の胸の突端をぎり、と捻る。
同時に、長い指をショーツの中に浸入させ、いきなり悠理の内側(なか)に差し入れた。
「あああっ!」
思わずのけぞらせた悠理の首筋に、清四郎が噛み付くように口づける。
グチュ…淫らな音を立てながら、清四郎の指が抜き差しされた。
指の先を曲げ、蜜を掻き出すように動かされる。
「はぁ…ん…あん…ああん…」
子猫のような啼き声を立てながら、悠理は清四郎にしがみつく。
無意識に、腰を清四郎に摺り寄せながら、悠理は床に押し倒されていった。
押し倒してから、清四郎の動きは性急だった。
悠理の上に跨ったまま、服を剥ぎ取るように脱がせ、穿いていたズボンとショーツも力任せに引き下げた。
悠理にボタンを3つ目まで開けられたシャツの裾に手をかけて一気に脱ぎ去ると、悠理の胸に自分の胸を押し付ける。
清四郎の肌の熱さに、悠理は呻いた。
ああ…ああ…と。
「はぁ…駄目だ、我慢できません。悠理、入れますよ」
そういうと、ズボンのベルトに手をかけ、カチャカチャと音をさせて外し、全てを脱ぎ去った。
露わになった清四郎の男の象徴が、悠理の女の器官にあてがわれ、一気に突き入れられた。
「あっ!」
鋭い嬌声。
初めてなのに、悠理の身体は清四郎を最奥まで受け入れた。
華奢な身体が、激しく揺り動かされる。
そこに、愛情はあるのだろうか?
ただ、オスがメスの身体を激しく貪り、快楽を求めるだけのような動きだった。
それなのに―――
「んんっ、んんっ!」
「ああ…悠理…いいぞ…ほら、もっと腰を動かしてください…」
身体の中心から頭に響くような快感に、悠理は我を忘れていた。
ただ、清四郎の打ち付けるリズムに合わせて必死で腰を揺り動かしていた。
悠理の内側が清四郎を捉え、離すまいと締め付ける。
「くうっ!」
快感が激しいのか、清四郎が悠理の胸に顔を強く擦り付け、呻き声をあげる。
突き上げるリズムが、激しさを増す。
―――感じてる。清四郎が、あたいの身体で。
身体の奥底から湧き上がる未知の感覚と、純粋な喜びの感情。
その二つが絡まりあった時―――
「ああっ!……」
「はぁっ、悠理っ!」
二人の身体が激しく震えながらしなり、やがてゆっくりと身体の力が抜けていった。
*****
「つ…うっ」
意識がはっきりしてきた時、悠理はベッドの上にいた。
胸の先端に痛みが走る。
悠理の小ぶりな乳房が大きな手に掴み上げられ、清四郎の歯が、立てられていた。
「あ……」
体の奥の疼きが続いている。
まだ、薬が効いているのだと、感じた。
腰に当たる、清四郎の男の器官も固さと熱さを保っていた。
「せい、しろ」
名を呼ばれて悠理を見返した瞳には、普段の理知的な光など欠片もない。
そこに宿るのは、ただ、獣のような情欲の光だけ。
黒い瞳に欲望を浮かべたまま、悠理の顔に清四郎の顔が近付き、唇が重ねられた。
「ん……」
わずかに開いた唇から、遠慮無しに清四郎の舌と唾液が浸入してくる。
悠理は喉を鳴らしてそれを受け入れた。
自分から、顔を浮かせて彼の舌を追う。
清四郎の両手が悠理の頭を掻き抱く。
悠理の開いた足の間に、清四郎の腰があった。
悠理は自分の腰を、彼に擦り付ける。
自分自身が、既に濡れて溢れかえっているのがわかる。
先ほどのように、刺激を与えて欲しかった。
清四郎が悠理の頭を抱えていた両手を、悠理の体のラインに沿って滑らせた。
遅れて、清四郎の唇が後を追って下降して行く。
首筋、胸元、乳房、腹と、所々をきつく吸って紅い花を散らしながら。
悠理の足に到達した手が、両の膝を掴んでぐっ、と左右に大きく広げた。
太腿に舌を這わせ、そこにも紅い印を刻んで、清四郎の唇が悠理の中心に近付く。
「んっ!やぁ……ああっ」
既に充血し、膨らんでいる快楽の芽を舐められ、悠理がのけぞる。
「はぁ…あっ、あっ、あっ」
小さく鋭く、喘ぎ声が漏れ続けた。
初めての、繰り返される舌による刺激に。
悠理の手が清四郎の頭に伸び、激しく彼の髪をかき乱す。
「んんっ……あぁ……」
再び、悠理の身体が弛緩する。
与え続けられる、快楽に堪えきれず。
「ふ……」
涙で霞む視界に、清四郎の苦しげに顰められた表情が映った。
彼ももう、我慢が出来ないのだ。
掴まれた膝が胸に付くくらいに曲げられ、清四郎がゆっくりと入ってくる。
「ああ……」
満たされていく、感覚。
悠理の中が、清四郎で一杯になる。
しかしすぐに、幸せな感覚は蹂躙に変わる。
ただ激しく突き動かされる。
優しさなど、微塵もない動き。ただ、快楽を求めるだけの、男の律動。
それなのに、悠理は嬌声を上げ続けた。
何度も何度も達し、彼の首に縋った。
「せいしろうっ、せいしろうっ!」
深すぎる快楽に、涙を流しながらも、男の名を呼び続けた。